ジャガイモの連作障害対策
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ジャガイモ(ばれいしょ)を同じ圃場で作り続けていると、いもの表面にかさぶたのような病斑が出たり、株が枯れたりすることがあります。いもの肥大が抑えられ、収量が落ちるのも気になる被害です。原因として考えられるのは、そうか病・粉状そうか病・青枯病・黒あざ病といった土壌病害や、シストセンチュウをはじめとする線虫です。
対策の出発点は、いもや地上部の症状から原因を見分けること。ジャガイモはなすやトマトと同じナス科で、粉状そうか病の病原やシストセンチュウは、ほかのナス科作物にも寄生します。作物を替える際も、病原や線虫の宿主になるかどうかを確かめる必要があります。
ジャガイモの連作障害で
出やすい症状

そうか病
そうか病の特徴は、いもの表面にできるかさぶた状の病斑です。深くへこむものや、クッション状に盛り上がるものもあります。病原は、放線菌の一種であるStreptomyces属の菌です。
発病には土壌pHも関わりますが、「この数値まで下げれば防げる」と一律に判断することはできません。北海道の発生実態調査(1994〜1996年度)では、pH5.0以下で発病程度が低く、4.8以下ではほとんど発病が認められませんでした。一方、十勝農試の発生生態試験(1980〜1985年)では、pH6.5付近で最も多く発生し、強酸性の圃場でも多発した例がありました。
気温や降水量も発生を左右します。十勝農試の試験では、塊茎の形成から肥大初期にあたる6月中旬〜7月上中旬に、地温が高く、少雨で乾燥した年ほど早く発生し、発病も多くなりました。これは北海道の作期での結果です。
※参照元URL:北海道立総合研究機構「ジャガイモそうか病の発生生態に関する試験」(https://www.hro.or.jp/agricultural/center/result/kenkyuseika/gaiyosho/S61gaiyo/1985169.htm)
粉状そうか病
粉状そうか病では、いもに淡褐色〜赤褐色の、やや盛り上がった円形の斑点ができます。斑点が広がって表皮が破れると現れるのが、黄褐色の粉状のものです。これは病原の休眠胞子の塊で、根にもこぶ状のふくらみ(ゴール)ができます。
感染しやすいのは、13〜20℃の多湿な土壌です。20℃以上では感染が抑えられます。北海道の研究(2000〜2001年)でも、土壌水分を変えたモデル試験で、湿潤な条件ほど発生しやすい結果が得られています。
※参照元URL:北海道立総合研究機構「ばれいしょの粉状そうか病の発生実態と当面の防除対策」(https://www.hro.or.jp/agricultural/center/result/kenkyuseika/gaiyosho/h14gaiyo/2002403.htm)
青枯病
青枯病では、茎葉がしおれて枯れます。茎を切ったときの手がかりは、維管束の褐変です。褐変した道管の中には、病原の細菌が増殖しています。新しくできたいもにも被害が及び、ストロンの基部や芽の部分が暗褐色になって腐ります。
黒あざ病
黒あざ病の目印は、いもの表面に付く黒い菌核です。大きさは1〜数mmほどで、あざのように見えます。
シストセンチュウ
ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウの被害では、開花のころから下葉がしおれ、枯れて落ちます。落葉が中葉まで進むと、上葉だけが残る「毛ばたき」症状が現れます。
ジャガイモシロシストセンチュウは、植物防疫法に基づく緊急防除の対象です。発生が疑われる場合は、植物防疫所や地域の防除機関に相談してください。
ネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウ
ネコブセンチュウ類は、根や塊茎にこぶをつくります。密度が高まると塊茎が十分に肥大せず、収量が減る原因になります。塊茎の表面が傷み、商品価値を失うこともあります。
ネグサレセンチュウ類では、根に褐色〜黒褐色の細い条斑が現れます。塊茎には小さな斑点ができ、病斑が大きくなるにつれてへこみ、さらに進むと乾いたように腐っていきます。
症状から原因を
見分けるポイント
原因を絞り込むには、いもの表面だけでなく、根や茎の状態も確認しましょう。見る場所ごとの手がかりは、次のとおりです。
| 見る場所 | 症状 | 疑われる原因 |
|---|---|---|
| いも | かさぶた状、深くへこむ、クッション状に盛り上がる病斑 | そうか病 |
| 淡褐色〜赤褐色の盛り上がった斑点。表皮が破れて黄褐色の粉状のものが出る | 粉状そうか病 | |
| 黒くてあざのような菌核が付く | 黒あざ病 | |
| こぶ、小さな斑点やへこみ | ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ | |
| 根 | こぶ状のふくらみ(ゴール) | 粉状そうか病 |
| こぶ、褐色〜黒褐色の細い条斑 | ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ | |
| 地上部・茎 | 茎葉がしおれて枯れ、茎を切ると維管束が褐色 | 青枯病 |
| 開花のころから下葉が枯れ、上葉だけが残る | シストセンチュウ |
いもの表面の症状が似ているのは、そうか病と粉状そうか病です。表皮が破れて粉状のものが出るか、根にこぶ状のふくらみがあるかを確かめると、粉状そうか病を疑う手がかりになります。
同じ圃場で複数の病害や線虫が発生している場合もあります。判断がつかなければ、JAの営農指導員、道府県の病害虫防除所、普及指導センターに相談しましょう。
なぜジャガイモは連作障害を
起こしやすいのか?

病原菌や線虫がほかの作物にも
感染する
ジャガイモは、なすやトマトと同じナス科です。粉状そうか病の病原は、トマト、なす、イヌホウズキなどの根にも寄生します。ジャガイモシストセンチュウの宿主はナス科とアカザ属、ジャガイモシロシストセンチュウの宿主はナス科です。
そのため、ジャガイモの前後になすやトマトを作っても、病原や線虫にとっての宿主は途切れません。作物名が変わるだけでは、十分な輪作効果を得られない場合があります。
ナス科以外にも、被害を受ける作物があります。そうか病ではダイコン、ニンジン、ゴボウ、テンサイ、カブなどが該当します。ネグサレセンチュウ類も麦類、豆類、野菜類などを侵し、ネコブセンチュウ類も宿主の範囲が広い線虫です。
病原菌や線虫が土の中で
長く生き残る
シストセンチュウ対策が難しい理由の一つは、土の中で長く生き残ることです。ジャガイモシストセンチュウとジャガイモシロシストセンチュウは、シストの中の卵が15年以上生存できます。数年作付けを休んだだけでは、残っている可能性があります。
病原も土の中に残ります。粉状そうか病の休眠胞子は3〜4年、青枯病菌は3〜4年以上生存できます。そうか病菌も、土の中で腐生的に長期間生き残るため、次作への持ち越しを考えた管理が必要です。
種いも・汚染土壌・残さが
伝染源になる
病害を持ち込む経路として見落とせないのが、種いもです。そうか病や粉状そうか病は種いもから伝染し、黒あざ病も菌核の付いた種いもが主な伝染源になります。青枯病菌は、いもの維管束の中に潜んで次の作へ持ち込まれます。
圃場を整えても、種いもに病原が付いていれば、そこから感染が始まります。土の管理と種いもの選び方は、セットで考えましょう。
土や農機具も、病原や線虫の運び手になります。シストセンチュウは、風で飛ばされる土や雨水・洪水で流される土に混じって広がります。汚染された土や、土の付いた農機具を移動させることも、拡散につながります。
ジャガイモシロシストセンチュウの防除区域から除外された地域の対象圃場では、再発防止のため、車両や農機具の移動時に土の付着がないことを確認します。収穫時には、ナス科植物の地下部を圃場に残さないよう除去することも必要です。
病気にかかった残さのすき込みも、病原を増やす原因になります。残さを土に戻すか、圃場の外へ持ち出すかは、発生している病害に応じて判断してください。
ジャガイモの連作障害に対する
一般的な対策と限界
対策は、原因に合わせて選ぶ必要があります。主な方法を整理すると、次のとおりです。輪作年数や品種の効果には地域・試験条件による違いがあるため、圃場の状況と照らして検討しましょう。
| 原因 | 主な対策 |
|---|---|
| 土壌病害・シストセンチュウなど | 健全無病の種いもの利用 |
| そうか病 | 種いも消毒、土壌pHの調整、バーク堆肥を避ける、抵抗性品種、イネ科などの緑肥 |
| 粉状そうか病 | 輪作、抵抗性の高い品種の選択。北海道の調査では、4年以上の輪作圃場で発生が少ない傾向 |
| 青枯病 | 健全な種いもの利用、輪作、土壌消毒。沖縄県の試験では、前作のラッカセイを避けることが防除上の留意点 |
| ジャガイモシストセンチュウ | 対象の線虫に抵抗性をもつ品種の利用 |
| ジャガイモシロシストセンチュウ | 緊急防除や再発防止の指導に沿った対策。土壌くん蒸、捕獲作物、抵抗性品種、輪作など |
| ネコブ・ネグサレセンチュウ | 線虫の種類に合う対抗植物の緑肥 |
輪作
連作を避け、別の作物をはさむ輪作は基本の対策です。ただし、どの作物を組み合わせ、何年あけるかは、対象の病害や線虫によって変わります。
粉状そうか病では、北海道の調査(2000〜2001年)の輪作比較で、連作・交互作・3年輪作の圃場より、4年以上輪作している圃場のほうが発生量の少ない傾向がありました。輪作比較は1年分の結果であり、4年あければ必ず防げるという意味ではありません。
ジャガイモシロシストセンチュウの再発防止では、防除区域から除外された地域の対象圃場で、ナス科以外の植物を組み合わせた3年以上の輪作体系を組み、ナス科の連作を避けます。ナス科を栽培する場合は、対象の線虫に抵抗性をもつ品種を選びます。
青枯病では、前作の種類にも注意が必要です。沖縄県の暖地での試験(2000〜2003年)では、ラッカセイの後作で発病率が高く、ダイズの後作は前作なし区と同程度でした。この試験条件では、ジャガイモとラッカセイの輪作を避けることが防除上の留意点になります。
※参照元URL:農林水産省 植物防疫所「ジャガイモシロシストセンチュウ再発防止対策指導要領」(https://www.maff.go.jp/pps/j/law/houki/yoko/yoko_200423.html)
※参照元URL:農林水産省 アグリサーチャー「短期輪作と太陽熱土壌消毒によるジャガイモ青枯病の防除」(https://agresearcher.maff.go.jp/seika/show/222836)
健全な種いもと抵抗性品種
まず取り組みたいのは、健全無病の種いもを使うことです。そうか病では、種いも消毒も、種いもからの発病を抑え、発生圃場を広げないための対策になります。
抵抗性品種は、対策したい病害や線虫に合わせて選びます。代表的な評価例は、次のとおりです。
- ジャガイモシストセンチュウ:抵抗性品種を1作栽培すると、土壌中の線虫密度が平均80〜90%減少しました(2003年の研究成果)。花標津、ベニアカリ、十勝こがねなどが試験に用いられています。ただし、高密度条件では密度低減効果が劣る品種もあり、当時の主要奨励品種ではスタークイーンが該当しました。
- そうか病:スノーマーチの抵抗性評価は「強」で、スタークイーンの「やや強」より1段階高い評価です。スタークイーンは、多発圃場では十分な抵抗性を発揮できませんでした。
- 粉状そうか病:温室内の接種検定(1999年)では、ホッカイコガネが「強」、エニワが「中〜強」、とうやが「弱」と評価されています。
ジャガイモシロシストセンチュウについても、防除が完了した対象圃場でジャガイモを作付けする際は、同線虫への抵抗性品種を利用します。
抵抗性は、発病や被害が一切起きないことを意味しません。また、ここに挙げた品種は当時の試験例です。現在の種いもの供給状況、用途、地域への適性も確かめて選んでください。
※参照元URL:農研機構「ジャガイモシストセンチュウ対策のための抵抗性品種の利用指針」(https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/harc/2003/cryo03-01.html)
※参照元URL:北海道立農業試験場集報「スノーマーチ」(https://www.hro.or.jp/upload/14065/89-2.pdf)
※参照元URL:農研機構「ジャガイモ粉状そうか病の温室内抵抗性検定法」(https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/narc/1999/narc99-216.html)
※参照元URL:農林水産省「ジャガイモシロシストセンチュウに関する情報」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/gp/gp.html)
土壌消毒(太陽熱・土壌還元・薬剤)
作付け前の土壌消毒は、病原菌や線虫を減らすための方法です。太陽熱消毒では、夏の高温期に土の表面を透明なフィルムで覆い、太陽熱を利用します。
土壌還元消毒は、米ぬかやふすまなど分解しやすい有機物を入れ、十分な水分と地温30℃以上の条件で土を還元状態にして殺菌する方法です。このほか、薬剤による消毒もあります。
ただし、消毒の効果は土の深さや処理条件によって変わります。太陽熱消毒は、深さ10cmより下では効果が低下するため、根の浅い作物で利用される方法です。土の中の病原体には薬剤も届きにくく、処理すれば必ず防げるとは限りません。
沖縄県の青枯病の試験(暖地、2000〜2003年)では、太陽熱土壌消毒の平張処理は、クロルピクリンよりやや劣るか、同等の効果でした。一方、畝立処理では畝間に病原菌が生き残り、青枯病が多発しました。畝間にたまる水が病原菌の生存に関わるため、処理方法と排水条件の両方を確認する必要があります。
ジャガイモシロシストセンチュウでは、網走市の発生圃場を対象とした研究で、D-D剤40L/10aの処理後、線虫密度が処理前の平均7.0%まで低下しました。さらに、非宿主作物の輪作体系の中で、土壌くん蒸2回と捕獲作物の栽培1回を組み合わせると、ほとんどの圃場で検出限界以下となりました。これは、2〜3年での密度低減を目指す防除体系の成果です。
薬剤は、現在の登録内容に従って使用してください。緊急防除の対象圃場では、関係機関の指導に沿って対応します。
緑肥(対抗植物)
線虫を減らすには、種類に合う緑肥や対抗植物を選びます。ネコブセンチュウ類にはギニアグラスやクロタラリア、ネグサレセンチュウ類にはマリーゴールドやエンバク野生種などが使われます。対策したい線虫の種類を確かめてから選ぶことが大切です。
ジャガイモシロシストセンチュウには、トマト野生種「ポテモン」を捕獲作物として利用する方法があります。網走市の発生圃場で、6月中旬から60日間栽培した試験では、線虫密度が栽培前の平均11.6%まで低下しました。
そうか病では、十勝農試の研究(2000〜2003年)で、エンバク野生種などのイネ科作物を休閑緑肥や後作緑肥に使うと、後作の発病が軽減されました。同研究では、マメ科作物にも軽減効果が認められています。
菌を減らす対策とあわせて
土のpH・水はけ・有機物を見直す
防除は「組み合わせ」が前提
土壌病害は、一つの方法だけで抑えるのが難しいものです。健全な種いもの利用、輪作、抵抗性品種、土壌消毒、残さ処理などを組み合わせ、圃場に病原を持ち込まないことと、増やさないことの両方に取り組みます。
発病後の対応だけでなく、次作に向けた予防も必要です。圃場で出ている病害に合わせて、土の状態や有機物の使い方も見直しましょう。
土のpHと有機物の選び方
そうか病対策では、土壌pHの調整と有機物の選択が重要です。ただし、有機物なら何を入れてもよいわけではありません。十勝農試の研究(2000〜2003年)では、バーク堆肥のすき込みが土壌の交換酸度を低下させ、発病を助長するため、施用を避けることが防除上の留意点になっています。未熟な堆肥の施用も、多発につながります。
pHの目標値も、圃場に合わせて決める必要があります。酸性側で発病が少ない調査結果がある一方、強酸性でも多発した例があるためです。土壌診断の結果と、これまでの発病状況を普及指導センターなどに見てもらい、調整方法を検討してください。
土の水分との関係
水分の管理は、病害ごとの特徴に合わせて考えます。粉状そうか病は湿潤な土で発生しやすく、そうか病では、塊茎形成から肥大初期の乾燥が発生に関わります。
ただし、圃場の排水性だけで発病を判断することはできません。北海道のそうか病の発生実態調査(1994〜1996年度)では、排水性と発病の間に明確な傾向は認められませんでした。水はけの良し悪しに加え、生育時期の土壌水分や、その年の気象も確認しましょう。
扱いやすい微生物資材
カルスNC-R

リサール酵産の「カルスNC-R」は、作物残さや稲わら、籾殻などの有機物の分解を助ける複合微生物資材です。残さを土づくりに活用しながら、次作の準備を進められるのが特徴。ジャガイモの植え付け前にも使用でき、収穫後の圃場管理に取り入れやすい資材です。
嫌気的な条件下や高温でも活動できる菌、糸状菌、放線菌など、多様な微生物を配合しています。有機物を土の中で分解させるため、圃場で土づくりを進めたい農家に適しています。
残さを運び出す手間を減らし
土づくりに活用
収穫後の健全な茎や葉、稲わら、籾殻、緑肥などは、カルスNC-Rと一緒に土へ戻して活用できます。材料を準備し、カルスNC-Rを散布したら、有機物としっかりすき込んで十分にかん水します。残さを運び出す作業を減らし、圃場で分解を進められる点が利点です。
ジャガイモの植え付け前にも使えます。健全な種いもが分解される心配は基本的にありません。ただし、腐った種いもや傷みの強いものは分解が進むことがあるため、植え付け前に状態を確認してください。
病気にかかった残さは、健全なものと分けて扱いましょう。カルスNC-Rには病原菌を殺菌する作用がないため、残さの処理は対象の病害に応じて判断します。ジャガイモシロシストセンチュウの緊急防除や再発防止の対象圃場では、地下部の除去など、植物防疫所や関係機関の指導を優先してください。
夏場なら1週間程度で
次の作付けへ
カルスNC-Rをすき込み、十分にかん水したあとは、1〜3週間ほどあけて作付けします。気温の高い夏場なら1週間程度、冬場や乾燥時は3週間ほどが目安です。ジャガイモ専用の期間ではなく、資材の一般的な使用目安として、地域の気温や作期に合わせて計画してください。
有機物がすべて分解し終わるまで待つ必要はありません。有機物の分解と作物の栽培を並行して進められるため、土づくりを次作の準備に組み込みやすくなります。
施用量と使うときの注意点
カルスNC-Rの10aあたりの使用量は、露地野菜で20〜30kg、施設野菜で30〜40kgが目安です。ジャガイモ専用ではなく野菜の区分で示されているため、栽培形態に合わせて確認してください。
組み合わせる有機物と資材の目安も、10aあたりで次のように整理できます。
- 生籾殻1t:硫安40kgと米ぬか200〜300kgを組み合わせます。
- 畜ふんの生堆肥5〜7t:硫安は不要で、米ぬか200〜300kgを加えます。
生籾殻を使う場合の硫安は、微生物の活動に必要な窒素を補うためのものです。元肥とは役割が異なるので、作物に必要な元肥は通常どおり施用します。
そうか病が発生する圃場では、有機物の種類にも注意してください。カルスNC-Rを使う場合も、バーク堆肥や未熟な堆肥が発病を助長する点を踏まえ、投入する材料を選びましょう。
石灰や土壌消毒と組み合わせる際は、次の点を確認します。
- 有機石灰・苦土石灰:併用できますが、カルスNC-Rと同じ容器の中で混ぜ合わせるのは避けてください。石灰の施用量は、そうか病対策と土壌pHも踏まえて決めます。
- 消石灰などの強アルカリ資材:石灰を先に施し、カルスNC-Rを使うまで1週間ほどあけるのが目安です。
- 石灰窒素:殺菌作用がなくなるまで期間をあけます。必要な間隔は、季節や使用条件に応じてメーカー・販売先に確認してください。
- 薬剤による土壌消毒:消毒剤の効果が消えるまで期間をあけます。使用した薬剤のメーカーや販売店に確認してから、カルスNC-Rを使います。
カルスNC-Rを栽培計画に取り入れる際は、使う有機物と次作までの段取りをそろえておくと進めやすくなります。導入前に確認したいのは、次の5点です。
- 圃場で分解・活用したい健全な残さや、生の有機物があるか
- 季節に応じた作付けまでの待ち時間を確保できるか
- 有機物の種類に合わせ、必要な硫安や米ぬかを用意できるか
- 石灰、石灰窒素、土壌消毒との使用間隔をとれるか
- 病気が出た株やいもの処理方法を決めているか
健全な種いもの利用や輪作などの防除に、残さを生かす土づくりを組み合わせる。カルスNC-Rは、ジャガイモの次作に向けて、こうした取り組みを支える微生物資材として活用できます。

