もみがらで土壌改良するには?
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こちらの記事では、もみがらを米ぬか、家畜糞と一緒に発酵させて作る「もみがら堆肥」について解説しています。もみがら堆肥とは?という点から、特徴やメリット・デメリット、家庭菜園で使用する場合のポイントなどをまとめました。
もみがら堆肥とは?
「もみがら堆肥」は、もみがらを米ぬかや家畜糞などと一緒に発酵させて作る堆肥です。もみがら自体には植物の成長を助ける栄養素はほとんどありません。そのままの状態だと窒素成分が足りずに発酵微生物がほとんど増殖しないことから、米ぬかや鶏糞などと混ぜ合わせ、微生物の力で分解・発酵させていきます。
もみがら堆肥の特徴
もみがらには肥料成分が少ないため、過剰な施肥による肥料やけリスクを軽減できます。根へのダメージをできるだけ少なくできる点が特徴のひとつとされています。
また土壌の通気性を改善でき、根腐れが発生しにくくなるという面もあります。このような面から、もみがら堆肥を土づくりにも活用することによって、水持ち・水はけが向上して作物を育てやすくなるとされています。
もみがら堆肥のメリット
マルチング材としての活用が可能
もみがら堆肥は、マルチング材としても活用できます。畑の表面に直接もみがら資材を敷くことによって雑草の発芽を抑制し、病害虫の被害軽減が期待できます。また、土壌の水分が蒸発するのを抑えられるため、夏は高温から作物の根を保護し、冬は乾燥から土を守れる点は、もみがら堆肥を使用するメリットのひとつといえます。
このように、もみがら堆肥の使用によって雨が降った際には土壌の固結を防ぐことに加えて、土壌の保温や保湿効果も期待でき、作物を栽培する際の環境を整えるには効果的であるとされています。
土壌改良に活用できる
もみがら堆肥は土壌改良にも活用できます。もみがらには、微生物の活動を促して土壌の団粒構造を形成する効果があります。分解するまでに時間を要するものの、微生物によってもみがらが少しずつ分解されていくにつれて、土壌の構造が変わっていきます。
さらに、土壌の通気性・排水性を向上させる、固まってしまっている土の改善を行う場合にも、もみがら堆肥は効果的であると考えられています。
もみがら堆肥のデメリット
窒素不足に陥る可能性がある
もみがらは炭素が多く含まれており、窒素の割合が低いという面があります。微生物が分解する際には土の窒素を多く消費しますが、この場合作物の成長に必要となる窒素が不足してしまうことによって、生育に影響が出てくるケースが考えられます。特に未熟な堆肥を使用した場合には、窒素不足に陥ってしまうリスクが高くなるとされています。
このような理由から、もみがら堆肥を多く入れた畑の場合には、葉物野菜の成長が遅くなったりする場合もあります。このような状況を防ぐには、もみがら堆肥をしっかりと発酵させることが大切です。場合によっては、窒素肥料を足すのも良いと考えられます。また、一度にたくさんもみがら肥料を入れずに、土に少しずつ混ぜながら様子を見るのもポイントになってきます。
製造するのに時間と手間がかかる
もみがら堆肥を製造する場合、微生物による分解を促進させるために米ぬかや鶏糞を混ぜ、水分や温度を管理しつつ発酵させていく必要があります。特に堆肥を大量に製造する必要がある場合には、発酵に時間がかかるだけではなく切り返し作業を行う際に手間がかかる面も。このように、もみがらを堆肥化するには一定の時間と手間がかかる点がデメリットとして挙げられます。
土壌改良のプロに訊くもみがらを使った土壌改良の疑問
安定収穫を実現する土壌改良の強い味方である微生物資材「カルスNC-R」を手掛けるリサール酵産株式会社の代表、飯川さんにもみ殻を使った土壌改良について、詳しくお話を伺いました。
Q1. もみがらを使ったやりがちな土壌改良の失敗例について教えてください
一番多い失敗は窒素飢餓です。窒素を入れずに、もみがらだけ入れてしまうことです。
もみがらは分解に時間がかかるため、分解の途中で窒素をかなり消費します。これがいわゆる窒素飢餓です。
「硫安を入れると作物に効きすぎそう」「元肥が入っているから硫安は控えたほうが安全」そう思って失敗するケースがとても多いです。
でも実際は、硫安は作物のためではなくもみがらを分解するために微生物が必要とする栄養になります。
もみがらを使ったときは硫安がセットです。
Q2. 土壌改良を目的とした場合、もみがらの土壌1㎡あたり・10aあたりの適正施用量の目安はどのくらいでしょうか?
目安は下記の通りです。
1㎡あたり
- もみがら 1kg
- 硫安 40g
- カルスNC-R 30g
- 米ぬか 300g
10aあたり
- もみがら 1t
- 硫安 40kg
- カルスNC-R 30kg
- 米ぬか 200〜300kg
Q3. 微生物資材ともみがらの相乗効果についてお伺いしたいです
ポイントは「もみがらを分解できる微生物かどうか」になります。
微生物資材なら何でも、もみがらを分解できるわけではありません。食べきれない量、食べられないエサでは、本来の効果は出ません。
その点、カルスNC-Rはもみがらの分解を得意とする資材となっています。ただ分解するだけでなく、圧倒的な土壌改良をすることができます。
Q4. 「もみがら(生・堆肥・くん炭)の違い」について、どの土・どの作物にどんな条件で効きやすい/効きづらいという条件をお聞きしたいです
生もみがら
分解がゆっくりで、通気性改善向き。粘土質の土や、土壌改良をじっくり進めたい畑向け。
※窒素不足になりやすいので調整は必須。
もみがら堆肥
ある程度分解が進んでいて、使いやすい。作物を選ばず、通気性や排水性などの土壌改良効果に期待できます。
もみがらくん炭
通気性や排水性の改善が目的で、即効性を求めるとき。また、アルカリ性でもあるのでpH調整も期待できます。
同じもみがらでも、土の質や何を改善したいかで使い分けることが大切です。
ここを外さなければ、失敗は減ります。
まとめ
もみがら堆肥により肥料やけや根腐れのリスクを抑えられる
もみがら堆肥は、肥料成分が少ないために施肥過剰による肥料やけのリスクを軽減できる点に加え、土壌の通気性や排水性を改善することで根腐れの発生リスク抑制が期待できます。ただし、大量に土に混ぜすぎると窒素不足になる可能性や、もみがら堆肥を作るにあたって時間や手間がかかる点はデメリットといえます。
もみがら堆肥と微生物資材の比較
微生物資材は、乳酸菌、放線菌など土壌中で有用な働きが期待できる特定の微生物を培養し、資材化したものです。土壌に投入することで、土壌中における病原菌抑制や有機物の分解促進、作物の養分吸収などを促進します。
こちらの記事でご紹介してきたもみがら堆肥は、土壌の物理的な環境を整えるという役割が主であるといえます。対して微生物資材は土の働きを改善して、病気に強く養分を吸収しやすい状態を作ります。
これらの働きは相反するものではなく、もみがら堆肥の使用によって土壌の通気性や排水性を向上させて固まった土を改善しつつ、微生物資材を使用して生物活性を高めるといったように、もみがら堆肥と微生物資材を併用することによる相乗効果が期待できます。

