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なすの連作障害対策

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なすを同じ圃場で作り続けていると、株が急にしおれたり、片側の葉だけが黄色くなったりすることがあります。根にこぶが付くのも、気になる症状の一つです。原因として考えられるのは、青枯病・半身萎凋病・半枯病といった土壌病害や、ネコブセンチュウの寄生です。

対策の出発点は、圃場で何が起きているかを見分けること。病気なら、それに抵抗性をもつ台木を選び、発病株を圃場の外へ出します。ネコブセンチュウには栽培中に打てる手がないため、定植前の対策や対抗植物の緑肥が中心になります。

そのうえで、土壌消毒や土づくりを組み合わせていきましょう。台木ごとに抵抗性をもつ病気が違うことや、太陽熱消毒などの効果が土の深い層までは届きにくいことも、押さえておきたい点です。再発をくり返す圃場では、こうした違いや限界を知ることが、対策を見直す手がかりになります。

なすの連作障害で
出やすい症状

なすの連作障害で出やすい症状

青枯病

最初に目に付くのは、一部の葉が緑色のまましおれる症状です。初めの2〜3日は日中にしおれても、夜間や曇雨天の日には持ち直します。ところが、やがて回復しなくなり、株全体がしおれて枯れてしまいます。

疑わしい株は、地際の茎を切ってみましょう。確認するのは、茎の中の水の通り道である維管束の色です。褐色に変わっていて、切った茎を水の入った容器に挿すと白い細菌液が糸を引くように流れ出る。このような様子が見られれば、細菌による青枯病を疑う手がかりになります。

発病しやすいのは高温のときで、排水不良やかん水・肥料の与えすぎも発病を助長する要因です。菌は根の傷口から入り込みますが、線虫の食害跡や、側根が出るときにできる裂け目も侵入口になります。管理作業に使うはさみを通じ、地上部から広がることもあります。

半身萎凋病

発病初期の特徴は、株の片側の葉がまとめて黄色くなり、しおれて垂れ下がることです。進行すると株全体がしおれ、枯死に至る場合もあります。発病株の茎を切ると、維管束がかなり上の方まで褐色に変わっているのが分かります。病原は、カビの仲間であるバーティシリウム菌です。

半枯病

初めは下葉が、葉脈に沿って網目状に黄色くなります。多くは葉の片側半分だけに現れる変色で、しだいに葉先まで広がり、枯れ込んでいくのが特徴です。被害が激しければ株ごと枯れ、軽い場合は枝が枯れる程度で済みます。

茎では、導管部が黄褐色に変わります。病原はカビの仲間であるフザリウム菌です。地温27〜28℃の高温で多く発生します。

ネコブセンチュウ(根こぶ)

葉の黄化やしおれ、生育の停滞とともに収量が落ち、ひどい場合は株が枯れることもあります。地上部の症状だけでなく、根の状態も確かめたいところです。株を抜いて、根にこぶが無数に付いていれば、ネコブセンチュウの寄生が疑われます。

なすに寄生するサツマイモネコブセンチュウは、1年に数世代の増殖をくり返します。栽培中に打てる防除策がないため、対策の時期は休閑期間や定植前です。一般に、粘土質の土よりも砂質土や火山灰土で被害が大きくなる傾向があります。

症状から原因を
見分けるポイント

「しおれる」「黄色くなる」という症状は共通していても、現れ方には違いがあります。原因をある程度まで絞り込む手がかりは、次のとおりです。

原因見分けの手がかり
青枯病葉が緑色のまましおれ、2〜3日は夜に回復する。切った茎を水に挿すと白い細菌液が流れ出る
半身萎凋病株の片側の葉が黄化し、しおれて垂れ下がる
半枯病葉の片側半分が葉脈に沿って黄変し、しおれずに落葉する
ネコブセンチュウ根にこぶが無数に付く

とくに迷いやすいのが、半身萎凋病と半枯病です。どちらも葉の片側が黄色くなりますが、しおれて垂れ下がるなら半身萎凋病、しおれずに葉が落ちるなら半枯病が疑われます。一方、茎の中の褐変は青枯病・半身萎凋病・半枯病のいずれでも見られるため、それだけでは区別できません。

同じ圃場で複数の病害が出ていることもあります。判断がつかなければ、JAの営農指導員や普及指導センターに株を見てもらいましょう。原因が分かると、台木や対策も選びやすくなります。

なぜなすは連作障害を
起こしやすいのか?

なぜなすは連作障害を起こしやすいのか?

病原菌がほかの作物にも
感染する

なすの土壌病害の病原菌やセンチュウは、なすだけに寄生するわけではありません。青枯病菌が感染するのは、トマトやピーマンなどのナス科作物だけでなく、シソやイチゴなどにも及ぶとされています。半身萎凋病菌も宿主の範囲が広く、トマトやとうがらしに加え、きゅうりやメロンといったウリ科の作物も侵します。

サツマイモネコブセンチュウの宿主も広範囲です。ナス科、ウリ科、マメ科、アブラナ科、イネ科、キク科など、多くの科の作物に寄生します。

病原菌が土の中で
長く生き残る

青枯病菌は、条件がそろえば土の中で数年間生き残ります。しかも、分布するのは表層だけではなく、土の深い層まで及びます。

トマトでの試験では、青枯病の発病株から根を通じて菌が土へ移っていました。抵抗性をもたない台木や、抵抗性が中程度の台木に接いだ株では、深さ30〜60cmの層にも多くの菌が移っていたと報告されています。抵抗性の強い台木に接いだトマトでも、菌は深い層まで移っていました。

半身萎凋病菌は菌核、半枯病菌は厚膜胞子と呼ばれる形で土の中に残ります。これらが、次の作の伝染源になるのです。

発病株や残さが
次作の伝染源になる

同じ作物を続けて作ったり、病気にかかった残さをすき込んだりすると、土の中の病原菌が増え、病害が激しく出るようになります。半枯病菌も、被害を受けた根などの残さと一緒に土の中で生き延びる菌です。

こうしたことから、高知県の防除対策では、青枯病や半身萎凋病の発病株を早めに取り除き、圃場の外で処分するよう示されています。管理用のはさみから菌が広がることもあるため、発病株に触れた道具は消毒してから使いましょう。

※参照元URL:秋田県「病害虫防除」(農林水産省 都道府県施肥基準等)(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/aki3-15.pdf)
※参照元URL:高知県 こうち農業ネット「なす 半枯病」(https://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=3523)
※参照元URL:高知県 こうち農業ネット「なす 青枯病」(https://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=3516)
※参照元URL:高知県 こうち農業ネット「なす 半身萎凋病」(https://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=3524)

なすの連作障害に対する
一般的な対策と限界

なすの連作障害に対する一般的な対策と限界

輪作

科の違う作物を順番に栽培する輪作は、連作障害対策の基本です。ただし、なすの病原菌は宿主の範囲が広く、「ナス科以外なら何でもよい」わけではありません。

たとえば、半身萎凋病が出た圃場できゅうりやメロンを作っても、菌は減りにくいと考えられます。サツマイモネコブセンチュウも同様で、宿主になる作物をはさむだけでは密度は下がりにくいと考えられます。輪作の中で線虫を減らしたい場合は、後述する対抗植物の緑肥を組み込む方法があります。

一方、ハウスでなすを主力にしている経営では、作物を切り替えること自体が難しい場合もあります。

接ぎ木(抵抗性台木)

なすの土壌病害対策では、抵抗性をもつ台木への接ぎ木が行われます。選ぶ際に確かめたいのは、どの病気に抵抗性があるかです。台木ごとに対応できる病気の範囲は異なり、大阪府の資料では、主な台木の抵抗性を次のように整理しています。

台木青枯病半身萎凋病半枯病
ヒラナス(アカナス)××◎
トルバム・ビガー○○◎
台太郎○×◎
トナシム・トレロ○○◎
耐病VF×○◎
◎:強い抵抗性 ○:かなりの抵抗性 ×:抵抗性なし。評価は育成者ごとの相対評価で、絶対評価ではありません。

半身萎凋病が出ている圃場を例にすると、台太郎やヒラナスには、その病気への抵抗性がありません。まず圃場で出ている病気を特定し、それに合う台木を選ぶ必要があります。

病気に合う台木を選んでも、発病を完全に防げるとは限りません。台太郎の青枯病抵抗性は免疫ではなく、高温や菌の密度が高い条件では発病することがあります。

青枯病菌には複数の菌群があり、トルバム・ビガー、トナシム、トレロなども、一部の菌群に対して高温時に抵抗性が崩れることがあります。そもそも抵抗性をもたない菌群もあるため、台木だけに頼るのは難しいところです。大阪府の資料でも、抵抗性台木だけでは十分な効果が得られないため、土壌消毒などほかの防除法と組み合わせるよう求めています。

青枯病については、農研機構が「高接ぎ木」という方法を示しています。接ぐ位置を地際から高くする方法で、目安は台太郎で約7cm、トナシム・トルバム・ビガー・トレロで約10cmです。効果を得るには、苗の浅植え、管理用はさみなどの消毒、圃場の排水対策も徹底する必要があります。ただし、トナシム・トルバム・ビガー・トレロなどは、青枯病が重く出る圃場では発病を抑える効果が劣る場合があります。

※参照元URL:農研機構「青枯病・半枯病抵抗性台木用ナス新品種'台太郎'の育成」(https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/1995/vegetea95-017.html)
※参照元URL:農研機構「高接ぎ木法によるナス青枯病の抑制効果」(https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/narc/2015/narc15_s22.html)

土壌消毒(太陽熱・土壌還元・薬剤)

作付けの合間に土壌消毒を行い、病原菌やセンチュウを減らす方法もあります。太陽熱消毒は、夏の高温期に土の表面を透明なフィルムで覆い、太陽熱を利用して消毒する方法です。

土壌還元消毒では、米ぬかやふすまなど分解しやすい有機物を入れ、十分な水分と地温30℃以上の条件で土を還元状態にして殺菌します。太陽熱消毒より低い温度・短い期間で処理できる点が特徴です。このほか、土壌くん蒸剤を使う方法もあります。

太陽熱消毒や土壌還元消毒には、土の深い層まで効果が届きにくいという弱点があります。秋田県の資料によると、太陽熱消毒の効果は深さ10cmより下で低下するとのことです。米ぬかやふすまを使う土壌還元消毒も、深い層には効果が届かないと農研機構が指摘しています。深い層にも分布する青枯病菌は、表層の消毒だけでは減らしきれない可能性があります。

薬剤にも限界があります。秋田県の資料では、土壌伝染性の病害全般について、病原体が土の中にいるため薬剤が効きにくいとされています。

※参照元URL:秋田県「病害虫防除」(農林水産省 都道府県施肥基準等)(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/aki3-15.pdf)
※参照元URL:農研機構「新規土壌還元消毒を主体としたトマト地下部病害虫防除体系マニュアル」(https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2019/19_068.html)

緑肥(対抗植物)

緑肥作物の中には、センチュウを抑えるものがあります。サツマイモネコブセンチュウに対して挙げられるのは、クロタラリアやギニアグラスです。とくにクロタラリアは有効だという報告があります。

一方、コンパニオンプランツとして知られるマリーゴールドは、主にネグサレセンチュウに効果が高く、ほかのセンチュウにはあまり効きません。緑肥を選ぶときは、抑えたいセンチュウの種類に合っているかを確かめてください。

緑肥を使う際は、すき込んでから作付けまでの時間も見込む必要があります。腐熟期間の目安は20〜30日ほどです。分解が始まると糖類を分解するピシウム属菌などが増え、フェノール性酸などの有害な物質も生じるため、十分に腐熟させないと発芽や生育に障害が出ます。作付けの合間を長くとれない場合、この待ち時間は負担になるでしょう。

※参照元URL:農林水産省 都道府県施肥基準等「緑肥作物の利用」(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/ntuti28.pdf)

菌を減らす対策に
土づくりを組み合わせる

菌を減らす対策に土づくりを組み合わせる

防除は「組み合わせ」が前提

土壌伝染性の病害を抑えるには、複数の方法を組み合わせることが前提です。秋田県の資料でも、薬剤による化学的防除、物理的・耕種的防除、生物的防除、残さ処理などの圃場衛生を併せて行うよう示されています。接ぎ木や土壌消毒も、こうした対策の一つとして位置づけられます。

緑肥の役割も、センチュウ対策だけではありません。農林水産省の資料では、科の違う緑肥を栽培に組み込むと有用な微生物が増え、土壌病害の軽減につながると整理されています。

有機物で水はけと
通気をよくする

有機物を土に入れると、有機物そのもののすき間に加え、ばらばらだった土の粒がまとまる「団粒化」が進みます。土の中に大きなすき間が増えることで、水はけがよくなり、空気も増えるのです。家畜ふん堆肥には、団粒化によって保水性や通気性を高める効果もあります。

青枯病は、排水不良によって発病が助長される病気です。水はけを改善しておけば、発病しやすい条件を一つ減らせます。

有機物の分解を担うのは、土の中の微生物です。すき込まれた有機物は微生物によって分解され、腐植になります。また、作物の根から出る粘液もえさとなり、多くの微生物が増えます。

ただし、稲わらのように炭素の多い有機物には注意が必要です。炭素率(C/N比)は稲わらで60〜80、おがくずで400程度。こうした有機物を入れると、分解のために微生物が土の中の窒素を使い、作物が窒素不足になる「窒素飢餓」が起こります。

有機物を生かすには、分解に必要な窒素を補えるか、分解が進むまでの時間を見込めるかも考えておきましょう。

扱いやすい微生物資材
カルスNC-R

扱いやすい微生物資材カルスNC-R

「カルスNC-R」は、作物残さや籾殻などの有機物の分解を助ける微生物資材です。残さを活用した土づくりと、次作に向けた準備を並行して進められるのが特徴。なすの連作障害対策に土づくりを取り入れたい農家にとって、作付けの合間に使いやすい資材です。

夏場なら最短1週間で
次の定植へ

カルスNC-Rを有機物とともにすき込み、十分にかん水したあとは、1〜3週間ほどで定植できます。気温の高い夏場なら、1週間程度が目安です。有機物がすべて分解し終わるのを待たずに次作へ移れるため、栽培の合間に土づくりを進めやすくなります。冬場や乾燥時は、3週間ほどあけてください。

収穫後の残さを
土づくりに活用

収穫後のなすの茎や葉、根は、圃場で分解させて次の作物のために活用できます。太い茎や根を細かく切り、米ぬかなどと一緒に土へ戻すことで、分解が進みやすくなります。健全な残さを運び出す手間を減らしながら、土づくりに生かせる点も利点です。

ただし、発病株は抜き取り、圃場の外で処分しましょう。カルスNC-Rには病原菌を殺菌する作用がないため、病害対策として必要な残さ処理は続けてください。

酸素の少ない土の中でも
微生物が働く

カルスNC-Rは、酸素を必要としない嫌気性微生物を主体とした資材です。土にすき込んだあと、マルチで覆った環境でも使用できます。有機物の分解を進めながら作物を栽培できるため、なすの栽培サイクルに組み込みやすいのも特徴です。

接ぎ木や土壌消毒などの防除に、残さを生かす土づくりを組み合わせる。カルスNC-Rは、こうした取り組みを支える微生物資材として活用できます。

※参照元URL:リサール酵産「よくあるご質問」(https://www.resahl.co.jp/faq/)
監 修
初めての微生物資材なら“使いやすさ”で選ばれるカルスNC-R
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使いやすい3つの理由
最短1週間で次の作付けが可能

微生物の働きが強く分解スピードが速いためすぐに次の栽培準備に取りかかれる

作物の残さをそのまま活かせる

枯れた作物や根などを分解して、肥料成分として再利用できる

においや熱が出にくく
扱いやすい

嫌気的条件でも活動できる微生物を含んでおり有害ガスの発生を抑えながら土壌を健全に保てる

Amazon評価★4.2※1
Yahoo!ショッピング評価★4.8※2
楽天ランキング1位※3
※1参照元:Amazon2025年7月9日時点(https://www.amazon.co.jp/カルスnc-r/s?k=カルスnc-r) ※2参照元:Yahoo!ショッピング2026年1月5日時点(https://store.shopping.yahoo.co.jp/grantomato/4580184270018.html?nodeeplink=0) ※3参照元:楽天市場用土・肥料ランキング「カルスNC-R 1kg」2025年7月9日時点(https://ranking.rakuten.co.jp/daily/215257/)