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土壌改良を後回しにする最大のリスク

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Zenken株式会社が運営しています。
Special Interview

肥料代、燃料費、資材費、人件費。農業経営を取り巻くコストが読みにくい時代、まず考えたくなるのが「今すぐ削れる費用」です。けれど、目先のコスト削減として土壌改良を後回しにすると、来期以降の収量・品質・肥料効率を支える土台まで弱めてしまうことがあります。今回は、リサール酵産の飯川隼斗社長に、市況不安な時こそ土づくりへ投資すべき理由を聞きました。

土づくりと作物の生育を支える圃場のイメージ

この記事の結論

  • 市況不安時に本当に怖いのは、コストを削ることではなく、削ってはいけない投資まで削ってしまうことです。
  • 土壌改良を後回しにすると、肥料効率・根張り・排水性・収量安定性にじわじわ影響する可能性があります。
  • 土づくりは、余裕がある時の追加支出ではなく、来期以降の生産力を守る圃場資産への投資です。
  • 肥料代が高い時ほど、肥料を減らす前に、肥料が効く土になっているかを見る必要があります。
  • カルスNC-Rは、作物残さや有機物の分解を支え、肥料が効きやすい土づくりへつなげる一手として検討できます。

ここでは、資材価格が読みにくい時代に、何を削り、何を守るべきかを土づくりの視点で整理します。

データで見る、
農業資材価格の不安定さ

市況不安は、感覚だけの話ではありません。肥料価格や肥料原料の輸入価格は月ごとに変動しており、農家が資材価格を直接コントロールすることは難しくなっています。

農林水産省の「肥料の価格情報」では、尿素、りん安、塩化加里など主要肥料原料の国際市況・通関価格・肥料の小売価格指数が継続的に公表されています。肥料の物価指数は、令和2年平均を100とした場合、近年も100を大きく上回る水準で推移しており、肥料代は引き続き農業経営上の重要な変動要因です。

つまり、肥料価格は「一時的に上がった/下がった」だけではなく、外部要因に左右されながら高い水準で動き続けるコストです。だからこそ、農家側で見直せる肥料効率・根張り・土壌環境が重要になります。

Fertilizer

肥料価格は基準年より高い水準で推移

肥料の物価指数は、令和2年平均を100とした場合、近年も100を大きく上回る水準で推移しています。肥料代を見直したい農家にとって、価格の高止まりは無視できない経営課題です。

Import

肥料原料の通関価格も変動する

尿素、りん安、塩化加里の通関価格は月ごとに変動しています。肥料原料価格は、農家が直接コントロールしにくい外部コストです。

Management

経営費は“削ればよい”ものではない

農業経営統計調査では、農業所得、農業粗収益、農業経営費、生産費などが整理されています。経営を見るには、売上だけでなく、費用の中身と投資の優先順位を見る必要があります。

市況不安時に怖いのは、必要な投資まで削ってしまうこと

コストを見直すこと自体は必要です。ただし、すべての支出を同じように削ると、来期以降の収量や品質を支える土台まで弱める可能性があります。土壌改良は、単なる資材費ではなく、生産力を守る投資として分けて考えるべきです。

土壌改良を後回しにすると、
何が起きるのか

土壌改良を後回しにする怖さは、今年すぐに大きな失敗として見えることだけではありません。じわじわと根張りや肥料効率が落ち、気づいた時には回復に時間がかかる土になっていることです。

肥料を増やしても効きにくい。水をやっても根が吸えない。雨が続くと弱る。生育ムラが広がる。こうした問題の裏側に、土の物理性・化学性・生物性の低下が隠れていることがあります。

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後回しにした時のリスク 土の中で起きやすいこと 経営への影響
肥料が効きにくくなる 根が浅い、pH・ECの乱れ、有機物分解不足、土の硬さ 肥料代をかけても、作物が吸いきれず効率が悪くなる
収量・品質がブレる 保水性、排水性、通気性が不安定になる 出荷量、等級、単価、販売計画に影響する
異常気象に弱くなる 根域が浅い、団粒構造が弱い、水分変動に弱い 猛暑・長雨・乾燥時の被害が大きくなりやすい
病害・連作障害リスクが高まる 残さ分解不足、根傷み、土壌環境の悪化 農薬、土壌消毒、改植、作付け変更などの追加コストにつながる
回復に時間がかかる 地力低下、硬盤、腐植不足、微生物環境の乱れ 翌作だけでなく、数年単位で生産力を戻す必要が出ることがある
※編集チーム作成。リスクの出方は作物・土壌条件・作型・地域により異なります。
後回しのコストは、後から見えてくる

土壌改良をやめても、すぐに大きな変化が出ないこともあります。だからこそ後回しにされがちです。しかし、根張りや肥料効率、排水性、保水性の低下は、数作後に収量や品質のブレとして表面化することがあります。

土壌改良を後回しにした時の
“見えないコスト”

市況不安時の判断では、今季の支出だけでなく、後から発生するコストも見る必要があります。土づくりを後回しにした影響は、追加施肥、病害対策、作業遅れ、品質低下などの形で表れることがあります。

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後回しにしたこと その年に見えにくい変化 後から出るコスト
土壌診断をしない 過不足が分からないまま施肥する 無駄な肥料代、過剰施肥、収量・品質低下
排水を見ない 雨後だけ少し生育が悪いように見える 根腐れ、病害、作業遅れ、品質低下
残さ分解を放置する すき込んだだけで土に戻ったように見える 窒素飢餓、ガス障害、根傷み、次作の生育不良
pHを見ない 肥料を入れても効きが鈍い 肥料効率低下、追加施肥、養分バランスの乱れ
有機物補給を止める すぐには変化が見えにくい 地力低下、保水性・通気性の悪化、根張り低下
※編集チーム作成。実際の影響は圃場条件や作物によって異なります。

土壌改良は“支出”ではなく、
圃場資産への投資

農機は壊れれば修理します。施設は傷めば補修します。では、毎年作物を支えている土は、いつメンテナンスするのでしょうか。

農林水産省は、土づくりを「土壌の状態を物理的、化学的、生物的に改善し、土壌の生産力を高めること」と説明しています。また、土壌の性質に由来する農地の生産力を「地力」とし、作物の生産性に大きく影響するとしています。

つまり、土壌改良は今季だけの資材投入ではありません。来期以降も作物を育て続けるための、圃場資産へのメンテナンス投資です。

Physical

物理性を整える

排水性、保水性、通気性、土の硬さを整えることで、根が深く広く張りやすい環境を作ります。

Chemical

化学性を整える

pH、EC、窒素、リン酸、加里、石灰、苦土などを確認し、肥料が効きやすい状態に近づけます。

Biological

生物性を整える

作物残さや有機物を分解し、微生物が働きやすい環境を作ることで、根域環境を整えます。

土壌改良は

土づくり投資は、
“収量アップ”だけでなく“下振れ防止”で見る

市況不安な時ほど、毎年の収量や品質が大きくブレることは経営リスクになります。土壌改良は、最高収量を一気に上げるためだけでなく、悪い年の落ち込みを抑えるための投資としても考える必要があります。

猛暑、長雨、肥料価格の高騰、販売価格の変動。外部環境が読みづらいほど、根が張り、肥料が効き、水分変動に耐えられる土の価値は高まります。

Stability

収量のブレを小さくする

根が深く張る土は、乾燥や過湿の影響を受けにくくなり、悪い年の落ち込みを抑える土台になります。

Quality

品質の安定につながる

水分や養分の吸収が安定すると、作物の肥大、着果、等級、日持ちなどに影響しやすい土台が整います。

Efficiency

肥料を効かせやすくする

肥料が高い時ほど、入れた肥料を作物が吸える土かどうかが重要です。土づくりは肥料効率の土台です。

農業経営のコスト削減で、
何を削り、何を守るべきか

市況不安時にコストを見直すことは必要です。ただし、重複している支出や目的が不明な資材と、来期以降の生産力を守る投資は分けて考える必要があります。

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判断項目 見直してよいコスト 守るべき投資
肥料 土壌診断で過剰が分かった成分、重複施肥 根が吸える状態を作る土づくり
農薬 予防体系の重複、効果が不明な散布 病害が出にくい土壌環境づくり
土壌改良材 目的不明の資材投入、診断なしの慣例投入 排水・pH・有機物分解・根張り改善
作業 重複作業、記録に残らない非効率作業 土壌診断、残さ処理、排水確認
設備投資 回収見込みが薄い大型投資 圃場の生産力を守る基礎投資
※編集チーム作成。実際の投資判断は、作物・経営規模・圃場条件・資金計画により異なります。
01

土壌診断で、pH・EC・養分状態・腐植・硬度を把握する

02

排水・土の硬さ・根の入り方など、物理性を確認する

03

pH・EC・養分バランスを整え、肥料が効きやすい土台を作る

04

作物残さや有機物の分解を進め、根が張りやすい環境に近づける

肥料代が高い時ほど、肥料の量だけを見ない

肥料を減らすかどうかを考える前に、まず肥料が効く土になっているかを確認する必要があります。根が浅い、土が硬い、排水が悪い、pHが合っていない状態では、肥料を入れても吸収効率が上がりにくくなります。

限られた予算で、
まず何に投資すべきか

市況不安時は、すべてにお金をかけるのではなく、圃場のボトルネックに合わせて優先順位を決めることが重要です。

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圃場の状態 優先したい投資 理由
肥料を入れても効きが悪い 土壌診断、pH・EC確認、根張り確認 肥料不足ではなく、吸収できない土になっている可能性がある
雨の後に弱る 排水改善、高畝、明きょ・暗きょ、土の硬さ確認 過湿や酸素不足が根の働きを止めている可能性がある
作物残さが残りやすい 残さ処理、有機物分解、微生物資材の検討 未分解残さが根傷みや窒素飢餓の原因になることがある
毎年、収量や品質がブレる 土壌診断、堆肥・緑肥、根域環境の改善 土の物理性・化学性・生物性のバランスを見直す必要がある
土が硬く、根が浅い 深耕、耕盤確認、堆肥・緑肥、排水確認 根が伸びない土では、肥料や水を使いきれない可能性がある
※編集チーム作成。実際の判断は土壌診断・作物・作型・地域条件により異なります。

飯川社長に聞く:
市況不安時代の土づくり投資

飯川隼斗さん
飯川隼斗さん

リサール酵産株式会社 代表取締役社長。微生物資材を活用した土づくりの普及に取り組む。

Q1肥料・資材価格が高止まりする中、現場の相談はどう変わっていますか?

A:肥料代や資材費をどう抑えるかという相談は増えています。「何を減らせますか」「今まで通りの施肥でいいですか」「土づくりは今年もやった方がいいですか」といった声ですね。

ただ、費用を抑えることと、必要な投資まで止めることは分けて考えた方がいいです。土が弱ってくると、肥料を入れても効きにくくなります。市況が不安な時ほど、土がどんな状態なのかを見てから判断することが大切です。

Q2市況不安時に、農家がやりがちな危険なコスト削減は何ですか?

A:一番危ないのは、土壌診断をしないまま肥料や土壌改良を一気に減らすことです。もちろん、過剰な施肥や目的がはっきりしない資材は見直すべきです。でも、必要なものまで削ってしまうと、収量や品質に影響が出ることがあります。

もう一つは、土づくりを「余裕がある時にやるもの」と考えてしまうことです。土は急には良くなりませんし、悪くなった土を戻すにも時間がかかります。だから、厳しい時ほど土づくりの優先順位を見直す必要があります。

Q3最近、土壌改良を後回しにしたことで起きた相談にはどんなものがありますか?

A:「肥料を入れているのに効かない」「雨の後に急に弱る」「根が浅い」「残さがいつまでも残っている」といった相談はあります。こういう場合、肥料の量だけではなく、根が動ける土になっているかを見ないといけません。

土壌改良を後回しにすると、最初は小さな違いに見えます。でも、数作続くと生育ムラや収量のブレ、病害の出やすさとして見えてくることがあります。

Q4「これは肥料不足ではなく、土の問題だ」と判断するサインはありますか?

A:肥料を入れているのに葉色が安定しない、雨の後に急に弱る、根が浅い、細根が少ない、作物残さがいつまでも残っている。こういう時は、単純な肥料不足ではなく、根が肥料を吸える土になっていない可能性があります。

肥料代が高い時ほど、追加で入れる前に、根が動ける環境かどうかを見てほしいですね。肥料が足りないのか、肥料を吸えない土なのかで、打つべき手は変わります。

Q5コストをかける順番は、どう考えるべきですか?

A:まずは土壌診断です。pH、EC、養分状態を見ないまま資材を増やしたり減らしたりするのはおすすめしません。次に見るのは排水、土の硬さ、根張りです。水が抜けない、根が入らない土では、どんな資材も働きにくくなります。

そのうえで、有機物分解や微生物資材を考えます。順番としては、まず土の状態を知る。次に根が動ける環境を整える。その後で、作物残さや有機物をどう活かすかを考える。この順番が大切です。

Q6土づくりへの投資を回収できているか、何を見ればよいですか?

A:収量だけで見ると分かりにくいことがあります。見るべきなのは、収量、品質、等級、生育ムラ、根張り、肥料の効き方、病害の出方、作業性です。土づくりは、最高収量を一気に上げるというより、下振れを減らす投資でもあります。

毎年同じように作っているつもりでも、土が安定している畑とそうでない畑では、天候が崩れた時の差が出ます。市況不安な時ほど、収量や品質のブレを小さくすることが経営上の価値になります。

Q7土づくり投資で、最初から大きくやらなくていいものはありますか?

A:あります。いきなり全面で新しい方法に切り替える必要はありません。まずは土壌診断をして、小面積で試して、根張りや生育の違いを見ていく方が現実的です。

土づくりは継続が大事です。無理に大きな投資をして続かなくなるより、毎作少しずつ改善できる形にした方が、結果的に経営に合うと思います。

Q8カルスNC-Rは、市況不安時の土づくりでどこに役立ちますか?

A:カルスNC-Rは、肥料の代わりになる資材ではありません。作物残さや有機物の分解を進め、土づくり資源として活かすための微生物資材です。

有機物がうまく分解され、根が張りやすい土壌環境に近づけば、結果として購入肥料を効かせやすい土台づくりにつながります。肥料代が高い時ほど、外から買う量だけを見るのではなく、畑の中にある残さや有機物をどう活かすかも考えるべきです。

Q9カルスNC-Rを使う前に、必ず見てほしい条件はありますか?

A:排水、水分、pH、作物残さの量、次作までの期間は必ず見てほしいです。微生物も生き物ですから、極端に乾いている、酸素がない、pHが大きく外れている状態では働きにくくなります。

カルスNC-Rを入れることが目的ではなく、有機物を分解して土づくりに活かすことが目的です。土壌条件とセットで考えることが大切です。

Q10市況不安な時こそ、農家に伝えたいことは何ですか?

A:何でも削るのではなく、削るものと守るものを分けてほしいです。重複している資材、目的が曖昧な投入は見直していいと思います。一方で、土づくり、根づくり、排水、土壌診断は、来年以降の経営を支える部分です。

土は毎年の収益を支える資産です。市況が不安定な時ほど、土を弱らせない判断が必要だと思います。

土壌改良投資を始める
実践ステップ

土壌改良への投資は、いきなり大きく始める必要はありません。まずは現状を見える化し、小さく試し、記録しながら続けられる形に整えることが大切です。

  1. 経営費を「削れる費用」と「守る投資」に分ける

    重複している資材、目的が曖昧な投入、非効率な作業は見直し対象です。一方で、土壌診断、排水、根張り、有機物分解は、来期以降の生産力に関わる投資として扱います。

  2. 土壌診断でpH・EC・養分・腐植・硬度を確認する

    感覚だけで肥料や土壌改良材を減らすのではなく、まず土の状態を把握します。pH、EC、リン酸、加里、石灰、苦土、腐植、土の硬さなどを確認します。

  3. 排水・根張り・作物残さの分解状態を見る

    雨の後に水が残る場所、土が硬い場所、根が浅い場所、作物残さが残っている場所を確認します。肥料が効かない原因が、養分不足ではなく根域環境にある場合もあります。

  4. 低コストで始められる確認作業から始める

    根を掘って見る、雨後の水たまりを記録する、残さの分解状態を確認する、小面積で資材を比較するなど、すぐに始められる確認作業も重要です。

  5. 肥料・堆肥・微生物資材を年間計画に組み込む

    その場の判断で資材を増やしたり減らしたりするのではなく、作付け、残さ処理、元肥、追肥、堆肥、緑肥、微生物資材を年間計画として組み合わせます。

  6. 小面積で試し、収量・品質・肥料効率を記録する

    いきなり全面導入せず、小面積で比較します。収量、品質、等級、根張り、生育ムラ、肥料の効き方を記録し、次作の判断材料にします。

  7. 翌作以降も続けられる投資額に調整する

    土づくりは一度で終わるものではありません。経営規模や作型に合わせて、無理なく続けられる投資額と作業量に調整します。

堆肥・緑肥・微生物資材・排水改善、
どれに投資すべき?

土壌改良といっても、選択肢は一つではありません。大切なのは、いまの圃場の課題に対して、どの投資が先かを見極めることです。

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投資対象 期待できること 注意点 優先しやすいケース
土壌診断 無駄な施肥や過剰施用の把握 診断結果を施肥設計に落とし込む必要がある 何から始めるか迷う時
排水改善 長雨・過湿対策、根腐れリスク低下 工事や作業コストがかかる場合がある 水が抜けにくい圃場
堆肥 有機物補給、物理性改善、腐植の材料 未熟堆肥や過剰施用に注意 腐植不足、砂質土、土が締まりやすい圃場
緑肥 有機物供給、根による土づくり、被覆 すき込み時期と分解期間が重要 休耕期間がある圃場、土壌流亡を抑えたい場合
微生物資材 有機物分解、作物残さ活用、土壌環境づくり 水分・温度・pH・排水条件が悪いと働きにくい 残さ処理や有機物分解を進めたい時
pH調整 肥料効率の改善、養分吸収の安定 診断なしの石灰投入は過剰施用のリスクがある pHが大きく外れている時
※編集チーム作成。投資対象は、土壌診断・作物・作型・地域条件を踏まえて判断してください。
カルスNC-Rの位置づけ

カルスNC-Rは、作物残さや有機物の分解を進め、土づくり資源として活かすための微生物資材です。市況不安時には、購入肥料の量だけを見るのではなく、圃場内の有機物をどう活かし、肥料が効きやすい土を作るかという視点で検討します。

カルスNC-Rを検討しやすいケース・
先に土壌条件を見直すケース

カルスNC-Rは、有機物分解を支える微生物資材です。効果を考えるうえでは、使う前の土壌条件も重要です。

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状態 判断 理由
作物残さを土づくりに活かしたい 検討しやすい 有機物分解を進め、土づくり資源として活かす目的に合いやすい
緑肥や堆肥と組み合わせたい 検討しやすい 有機物を分解し、根域環境づくりにつなげる設計がしやすい
排水が極端に悪い 先に排水を見直す 酸素不足では根も微生物も働きにくい
pHが大きく外れている 先に土壌診断とpH調整 養分吸収や微生物の働きが不安定になりやすい
次作まで時間がない 施用設計を慎重にする 未分解残さが根傷みや窒素飢餓につながる可能性がある
土が極端に乾いている 水分条件を先に確認する 水分不足では有機物分解が進みにくい
※編集チーム作成。使用可否や方法は、土壌条件・作物・時期・資材の使用方法を確認して判断してください。

やってはいけない
市況不安時のコスト削減

コストを見直すことは大切です。ただし、短期的な支出だけを見て判断すると、翌作以降の収量・品質・土壌環境に影響が出る可能性があります。

NG 01

土壌診断なしに肥料を大きく減らす

肥料代は下がっても、作物に必要な養分まで不足すると、収量や品質に影響します。まず土の状態を見える化します。

NG 02

土壌改良を全部後回しにする

土づくりを止めると、根張りや肥料効率の低下が後から表面化することがあります。必要な投資は残す判断が必要です。

NG 03

排水不良のまま資材だけ入れる

水が抜けない土では、根も微生物も働きにくくなります。資材の前に排水や土の硬さを見るべき場合があります。

NG 04

未分解の作物残さを放置する

残さが分解されないまま残ると、根傷み、窒素飢餓、病害リスクにつながることがあります。分解期間と条件を整えます。

NG 05

安い資材へ目的なく乗り換える

単価だけで選ぶと、成分や効き方が合わず、施肥設計が崩れることがあります。目的と土壌条件を確認します。

NG 06

微生物資材だけで全て解決すると考える

微生物資材は土づくりの一手です。排水、水分、pH、作物残さの量、作付け時期と合わせて考える必要があります。

NG 07

今季の支出だけ見て判断する

今季の費用を抑えても、翌作以降の収量や品質が落ちれば経営全体では損失になる可能性があります。

NG 08

記録を残さずに資材を変える

何を変えた結果、収量や品質がどう変わったのか分からないと、次の判断ができません。小面積で試し、記録することが大切です。

まとめ:市況不安な時ほど、
土づくりは“守るべき投資”になる

市況不安な時、コストを見直すことは必要です。肥料代、燃料費、資材費が読みにくい時代に、経営費を確認し、無駄を減らす判断は欠かせません。

しかし、すべての費用を同じように削ってはいけません。土壌改良を後回しにすることは、来期以降の収量・品質・肥料効率を支える土台を弱める判断になる可能性があります。

土づくりは、余裕がある時の追加投資ではありません。根が張り、肥料が効き、水分変動に耐え、作物が安定して育つための基礎投資です。

飯川社長が語る「土を弱らせない判断」は、市況不安時代の農業経営において、ますます重要になります。削るコストと守る投資を分けること。その第一歩が、土を見ることです。

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